ビジネスレポート BUSINESS REPORT

寺尾 隆 寺尾 隆

仕事をする上で最も大切なことは人と良い関係を築くこと

機能材・エレクトロニクス
ビジネスユニット
エレクトロニクス・マテリアル
第ニグループ[2017年]
寺尾 隆 Takashi Terao

2011年8月入社。電子製品用セラミックス原料の販売を主に担当。
計測制御機器メーカー、ガラスメーカーを経て、当社へ中途入社。
入社後は合成樹脂部隊、企画開発部、営業企画部を経て、2016年4月より現在の部署へ。
当社労働組合の委員長を務めるなど、社員との交流も多い。プライベートでは家族を大切にする良きパパ。

違う面白さを求めて

寺尾が2社のメーカーを経験して中途入社したのは2011年のことだ。
「メーカーで働いていたときは、この商品をこのエリアで売りなさい、ということが決まっていました。だから、その市場自体が縮小してしまうと辛いんです」市場環境に大きく左右されてしまう。それがメーカーで働くうえで付いて回る悩みだった。
「商社は作っているものがないので、自分たちで見つけることができるんです」転職活動中は、次もメーカーへ行くつもりだった。すでに内定していた他社へ行こうと考えていたが、ギリギリで内定をもらったのが住友商事ケミカルだった。商社のほうが面白いんじゃないか。自分でマーケットをひろげたり、市場を見つけたりできるんじゃないか。メーカーとは違う面白さを経験できると考えて、入社を決めた。

仕事は連想ゲーム

配属されたのは、新規ビジネスを開発する部署だった。化学品はどんなものにも使われている。自分の興味さえあれば何でもできるし、扱う商材も自由だ。しかし、途方に暮れた。これまでの知識でビジネスを考えたけれど、仕事は見つからなかった。何をすればいいか全くわからなかった。そのうちに、仕事のきっかけが社内にあることに気付いた。積極的に聞いてまわった。
まず「この商品はどんな用途に使われるのか。誰が使うのか。競合する商品はあるのか。何が違うのか。どんな形で提案ができるか。別の地域で可能性がないか」ということを考えた。そして取引先に提案するようにした。
「面白いですね」
そう言われて初めて、この仕事の魅力を分かった気がした。出発点を見つければ、次々にヒントが見つかる。
「飛び地を探すのではなくて、一つずつたどっていくんです。連想ゲームみたいに」

オーケストラで学んだ組織論

中学校の時に一目惚れしたのが吹奏楽部の先生だった。バスケットボール部をやめて吹奏楽部に入部した。そのうちに先生よりも音楽を好きになって、大学生や社会人になってもオーケストラで打楽器を続けた。
「オーケストラって、それぞれの楽器を担当する人の集まり。組織なんです。バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバスというパートが集まって、弦楽器というセクションになる。同じように木管楽器や金管打楽器のセクションがあって、それらが結集して一つのオーケストラとなる。集まったプロフェッショナルがそれぞれの役割を果たして、一つのことを目指す。会社と同じですよね」
初心者が数年で大きく成長したり、期待された人が伸び悩んだり。名手が揃っていても凡庸な演奏になったり、地味な奏者が中心でも輝かしい演奏になったり。日々の積み重ねと、ちょっとしたきっかけで、人や組織が大きく変わることを知った。

好きなことで成長する

大学時代に所属した二つのオーケストラで、500人以上の仲間と出会った。いまもその頃の友人と会う頻度は高い。「業界が違っても、がんばっている人は同じような悩みを抱えていて、話がかみ合うんです」彼らから受ける刺激は仕事にも生きる。
結婚式に招待される回数も多い。「二次会の司会を一度引き受けたら、披露宴の司会も次々に頼まれるようになりました。新郎新婦のイメージ通りに進行できるよう、台本を何通りも準備しています」
人前で表現するのが好きだから、楽しくがんばれる。司会の経験はプレゼンでも生きる。
休日はもっぱら子供と遊んでいる。心がけているのは、子供が興味を持つきっかけを作ること。好きなことを見つければ、子供は自分でどんどん伸びていく。「幼稚園児ですが、漢字の入った文章も読めます。漢字を教えたことはありません。バス・電車・路線図・地図と、好きなものをひろげていくうちに、いつの間にか覚えてました」
子供の成長を見守ることで、気付くことはたくさんある。「子供に育ててもらっていると思います」

人を好きになることから始める

仕事をするうえで最も大切にしているのは、人と良い関係を築くことだ。「仕事で関わる人って、本当に長い時間いっしょに過ごしますよね。とりつくろった関係では無理があるので、どうやったら自然に楽しく働けるのかを考えたんです」その答えが、「人を好きになる努力」だった。「好きな人の言葉は素直に受け入れられるし、友達とはケンカしても仲直りできますよね」好きだと思えれば、相手の役に立ちたいと素直に思えるし、きっと相手も好きになってくれる。そんな関係を目標に、意識して相手の魅力を探す。
就職した時、接する人の年齢層が圧倒的に広いことに驚いた。「自分が生まれる前から働いている方たちと関係をつくるのは、本当に難しいと感じました」会話を通じて各年代がどんなことに興味があるかを把握する。それを自分なりに調べて理解する。どんな話題でも反応してコミュニケーションできるよう、幅広く情報を収集するように努力した。
オーケストラも、友人も、子育ても、そして仕事も。何にでも興味を持って、ひろげて行く。これからどんな商材を扱おうとも、その姿勢が変わることはない。

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